設立まで・・・
Epilogue  これまで幾つかの会社設立に関わってまいりましたが、殆ど企業からのバックアップを頂きながら始めたビジネスだったせいか、会社設立の為に必要な30~40万円のコストを削減しようと考えた事は、正直言ってありませんでした。
 ところが、全て自分のお財布から出ていくとなると、俄然セコくなるものですね。 (/o\)
 まあ、「ケチだから」というだけでは少々動機が侘しいので、対外的には「後学のため」と"こじつけ"て、登記手続の全てを一人でやってみることにしました。

そして、書籍やインターネットに掲載されている情報などを頼りに苦難の道を歩み始めた訳です。
References ※手続きに際して利用させていただいた書籍とサイトは以下の通りです。

主に活用した書籍:「自分でできる会社設立」 野口和男 著 (発行 ローカス社)
http://www.locus.co.jp/book/soho/sh042b.htm

感想:この本には会社の種別(株式、有限、合名、合資)毎の基本的な説明から
   設立後の業務にいたるまで、分かりやすく書かれています。
   手続きの際には何時も携行しました。
   また、定款、議事録、申請書等、各種フォームがCDに納められていますの
   で、必要書類を揃えるのにとても役立ちました。

   ただ、以下定款の一部は公証人役場で修正するように指導されました。
   株券の分割、合併、汚損等の事由・・・(株券の再発行)
   株券の分割、併合、汚損等の事由・・・

   監査役の任期は、就任後年内の最終の・・・(取締役及び監査役の任期)
   監査役の任期は、就任後年内の最終の・・・

主に活用したサイト:「296会社.COM」
http://www.296kaisha.com/

感想:書籍を補完する情報を得る事が出来ました。
   また、「ウラわざ」的なコメントがとても現実的で参考になりました。

   【コメントの一例】
  ”法務局は「なぜこんなに」というぐらい混んでいます。しかも
  お昼休みはちゃんととります(12~1時)。この時間帯を考えて訪問する
  ようにしましょう・・・”
Process
【法務局において】
過去の経験から定款や事業計画の作成に、格別不安はありませんでした。
が、定款の「目的」の項に関しては、法務局に受け入れられる表現でなくては、 差し戻しになってしまうと聞いて、言い回しなどを慎重に記載しました。

※「目的」の事例は「296会社.COM」や他色々なサイトで紹介されていますので
 それを参考にしました。ただ、事例通りの記載でも弾かれる事があるようなので
 (実際に私も数項の修正を余儀なくされました)事前に法務局の法人登記担当官
 に相談してみた方が良いようです。
 私は類似称号確認のために法務局に行った際に相談してみました。そこで指摘
 されたのは「○○等の業務を・・・」といった「等」が用いられた個所でした。
 「前各号に付帯または関連する一切の業務」という記述はOKだったので、
 「等」と「関連」という文字には違い(法務的な?)があるようです。


そして、公証人役場で認証された定款と、その他必要書類(約12種)を揃えて法務局 の窓口に提出する訳ですが、窓口のポストに投函するだけ。という、あっけないないもの でした。
この提出日(投函日?)がプラム株式会社の設立日になるというのに・・・

約2週間後に登記手続の結果が出ます。その際も窓口に置いてある帳簿を自分で確認して 「手続き完了」になっていれば「それで良し」と、如何にも味気ないものでした。
別に”くすだま”を用意してくれとは言いませんが、「おめでとう」の一言でもあれば 少しはモチベーション上がるんですけどね。
新たな納税者が生まれるわけですから・・・

【税務署や社会保険事務所へ】
税務署への届け出、そして納税は国民の当然の義務であります。が、似たような申請書 (法人設立届出書、青色申告の承認申請書、棚卸資産の評価方法の届出書・・・等々) に毎度、社名から事業種目等を繰返し記入するのがとても非効率に思えて仕方ありませんでした。
税務署の業務上の都合もあるでしょうが、紙の枚数を減らせば資源の節約にも繋がるし、 業務も効率的になると思うのですが・・・

 社会保険事務所の場合も、申請に必要な提出書類の多さには閉口しました。
幸い、担当していただいた方がとても親切だったので、手続きはスムースに運びましたが、効率の悪さを感じずには居れませんでした。
もう少し工夫すれば工数は随分と省けるでしょうに・・・

これら会社設立に必要な処理を、自らやってみると、確かに多少勉強になりました。
まとめてみると以下の通りです。

1.法人として認定してもらうには、オキマリの行程をクリアすれば良い(?)
  「会社」に対する社会的な信用というものはこういった儀式を経る事に
  よって醸成されるのでしょうか? どうも日本的ですね。
  現状、株式会社に1千万円の資本金を条件にしているのも、中身よりも
  肩書きを重視する風習だからでしょうか?

2.電子政府の必要性。
  お役所における電子化が意外に進んでいないという現状を痛感しました。
  私が接した部分だけでも電子化のメリットは多大だと思います。
  1件の登記手続で申請者側は3人/日、役所側も1人/日は、電子化に
  よって少なくとも削減出来ると思います。(行政書士のお仕事は減って
  しまうかもしれませんが。

3.行政はCSを考えてない
  お役所の窓口で「○○は何処に行けばいいのですか?」と尋ねると
  「ああ、2階」とぶっきらぼうに答えられます。
  (なかには親切な方も居るのですが・・・)
  「あなたたちの給料になる税金をちゃんと支払うために面倒臭い手続き
  をしてるんだけど!」と思わず言いたくなりました。
  これじゃあ、「真面目に税金を払いたくない」なんて人も出ますよね。
  行政側も、CSを真面目に考えれば、税収の増加に繋がるんじゃない
  でしょうか。
何とか年内中に全ての手続きを終え、晴れて「プラム株式会社」を設立する事が 出来ました。 ここまで来るには、多くの方々のご指導、ご協力をいただきました。 この場をお借りしてお礼申し上げます。




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